サイモンソン・テクニックとは

1960年代にリン・サイモンソン(Lynn Simonson)により、それまでスタイルにこだわっていたダンスの枠を超え、レベルの高いダンサーを発展させるため、そのダンサーの体の違い、個性を考えながら解剖学や動作学(身ぶり伝達の研究)に基づいて開発されたダンステクニックである。今まで寿命が短いと言われていたダンサーが怪我を少なく、長く踊り続けることができると言われている。このテクニックによって、どんなジャンルのダンスにも通用する強い基本をつくり、芸術性を高め、高い水準を保ち続けていくことを目的としている。

人間はそれぞれ性格が違うように、体の構造も違う。すべての人を同じ形の枠にはめるやり方ではなく、自分の体(骨・筋肉)を知ることによって、体の痛み、怪我を防ぎテクニックアップにつながる。それにより怪我をしにくく、プロフェッショナルなキャリアを続行することが可能になる。もう40年以上前から、世界の有名なダンサーがこのトレーニングを受け、プロフェッショナルの世界で活躍している。また、新しくダンスを始める人の体づくりや次にステップアップしたい人にもこのダンステクニックは大変有効である。

立って行うピラティスと言われることもあり、アメリカではダンサーだけでなく、サラリーマン、OL、主婦など幅広い層の人がクラスを受けている。
サイモンソン・テクニックのはじまり

リンは出身地のシアトルからニューヨークへ移り、ダンサーとしてたくさんの舞台に出演し活躍しているさなか、膝を痛めてしまう。この経験から新たなダンストレーニング方法が必要であると確信した彼女は、解剖学を学び独自のテクニックを生み出す。

そしてニューヨークで「サイモンソン・テクニック」のクラスがスタートする。このクラスは海外でも評価されて招聘されるようになり、またアメリカおよび海外の大学でも取り入れられた。

サイモンソン・テクニックは世界中に広がり、今ではこのトレーニングを受けたダンサーが世界中で活躍している。
Simonson Technique
ティーチャーズトレーニングコース

今では世界20カ国でサイモンソン・テクニックが教えられているが、インストラクターはサイモンソン・テクニック講師養成コース(Teachers' training course)を受け、免許が必要となる。

リンの理念に基づき骨格や筋肉の認識、怪我防止について、ダンサーそれぞれの体の違いの見極め、クラス構成、初級クラスで使用するドラムでのキューイングなど細かく指導を受け、また教えられるレベルにふさわしいダンス技術、音楽選択やリズムの取り方まで高い水準を要求される。
Simonson Technique
他のダンステクニックとのちがい

ダンステクニックとして有名な、カニングハム(Cunningham)、リモン(Limon)、グラハム(Graham)などは、振付家の個人のスタイルをすすめるためにつくられたが、これとは対照的にサイモンソンはダンサーのためのダンサーによる技術とされている。

これによりエクササイズ後のコンビネーション(ダンス)ではそれぞれの先生の音楽の選択や振付によりジャズ・モダン・コンテンポラリーとジャンルが異なる。
※このページに掲載している写真は リン・サイモンソン公式サイト より許可を頂いて掲載しています。
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